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ナンカ堂 祐天寺店

祐天寺『ナンカ堂 祐天寺店』


祐天寺駅から徒歩2分。レトロかわいい看板が目印の『ナンカ堂』は、誰もが知る、祐天寺のランドマーク的存在。衣料品をメインにタオルや寝具、インテリア、学校用品、さらには100円ショップ…とさまざまな商品を扱い、掘り出し物も多数! 大特価で売れる秘密や、小売業の楽しさについて、同社が誇る“名コンビ”に聞いてきました。


「地元に根ざした商売は大企業よりも輝いて見えるんです」


「比べてみましょう。おっ、こちらの方が厚みはあるけど柔らかいですね。こっちは薄くてしっかりしてる」

「これがATSUGIさんの技術なのかもしれないですね〜。ウエストゴムが幅広だから、圧迫感がなさそう」


YouTube『ナンカ堂チャンネル』のライブ配信では“カッキー”こと店長の柿平毅さんと“おーこーち”こと営業部長の大河内崇弘さんが、同店で扱っている商品のおすすめポイントを紹介し、大好評! 

ふたりの掛け合いと手作り感にほっこりしつつも、BGMや画像挿入、テロップ、チャットへの対応など、高い配信スキルに感心させられる。しかも彼らはYouTubeだけでなく、InstagramやTwitter、LINEでもお買い得情報を積極的に発信。

日常の業務をこなしつつも、SNSを頻繁に更新するバイタリティがすごい‼︎


営業部長の大河内崇弘さん(愛称はおーこーち部長)は「世の中にはいろいろな役割があって、僕らのようなお店で経済を回すことも大切だと思う」。



しっかり時流に乗っている『ナンカ堂』だが、一見するとレトロな雰囲気。聞けば、創業は1924年!(本社は大田区大森)

以降、衣料品をメインに雑貨や寝具インテリア、学校用品、おもちゃ、文具などさまざまな商品を取り揃え、近隣住民の暮らしを支えてきた。

驚くべきは、ほとんどの商品が定価から割引されており、なかには80%オフという商品も! メーカー品やブランド品も含まれているのに、なぜこんなに安く売れるのか?


「作りすぎてしまった商品や、サイズや色によって売れ残ってしまうもの、ほんの少しキズがあるもの、規格からズレてしまって流通されなかったもの等を全国のメーカー、問屋からまとめて安く仕入れているのがひとつ。あとは仕入れ先に粘り強く交渉したり、店頭でも利益ギリギリの値付けをしたり、あらゆる手を使っていますよ(笑い)。

それが地域密着店の役割なのかな、とも思っているんです。全国チェーンの小売店で値下げしてしまうと、規模が大きいからメーカーが苦しくなりますよね。だけど地域密着の小さなお店なら、その店ごとの判断で安く売ることもできる。

やっぱり誰かが一生懸命作った商品なので、売れずに残ったものは廃棄処分というのではなく、我々のようなお店で販売させてもらって、利益がわずかでも経済を回せた方がいいのかなと思うんです」(大河内さん)


お買い得情報はSNSで発信。「そろそろ安くなる頃かな」と大特価品を目当てとするリピーターもいるそう。



よほどの不良品でなければ返品はしない。元々3000円のものを最後は100円にしてでも売り切るという。


「売れないからとずっと同じ商品をおいておくと、新鮮さがなくてつまらないお店になっちゃうんですよね。それにお店のスペースも限られていますから、いつまでも古い商品があると、新しい商品が入れられないという物理的な事情もあります」(柿平さん)


「TikTokやTwitterで話題のものもチェックします。売れるかわからなくても、とりあえずチャレンジしてみるのが、うちの会社の懐の大きいところ」と語る、店長の柿平毅さん(愛称はカッキー店長)。



大河内さんの叔父は会長で、父親は役員。両親も同社で長年店頭で働いていたこともあり、大河内さん自身がナンカ堂イズムを引き継いだ“サラブレッド”でもある。


「やっぱり学生の頃は、一度は外を見たいっていうのはありましたよ。叔父の誘いを断って、大学卒業後は信用金庫に入社したんです。

でも実はもうその頃には、地元に根ざした中小企業の魅力を感じていたんですよね。だから大きな企業じゃなく信金に入ったわけで…。信金に入ってからも、中小企業で働いている個人事業主のかたがたがすごく輝いて見えました。仕事をやらされているのではなくて、自分がやりたいことをやっているところがすごくいいなと。異動のタイミングで退職して、叔父に頭を下げて、ナンカ堂に入れてもらいました」(大河内さん)


仕事内容は知っていたかもしれないが、いざ働き始めてみて、想像していた世界とのギャップはなかったのだろうか? 


「いやもうそれ以上でした! 自分たちが仕入れて、値段を決めて、売場を作るんです。地域密着の店だから、その反応がすぐにわかるんですよ。想像以上に手応えを感じることもあるし、イマイチなときはじゃあ次はこうしようってアイディアもわく。それがこの仕事のいちばん楽しいところだなと、いまでも感じています」(大河内さん)


ぱっと見洋服コーナーかと思いきや、虎柄のリュックやマスク、健康グッズもさりげなく陳列。安くてかわいいもの、面白いものが転がっているので、店内は隅々まで見逃せない。



一方の柿平さんは、もともと人と話すことが好きで、これまで広告代理店の営業や飲食店などを経験してきた。衣料品などを売る小売業は未経験だったが「楽しそうだな」という直感が働き、入社。


「好きなものを仕入れて、値段も好きに決められて、好きな店づくりができるってすごく魅力的で。体力的にとか作業的には大変なこともありましたけど、これまで辛いと思ったことはないですね。

もちろん、小売ならではの難しいところはたくさんありますよ。とくに洋服などの季節ものは、需要と供給のバランスを見極めるのが大変ですね。今日は寒いから冬物が欲しいってなっても、店としては冬物と春物を両方置くスペースがないので、春物を置いておくとそこでミスマッチがおきてしまう。じゃあ冬物をがっつり集めるぞってなると、売れ残ってしまうこともある。寒波だとか猛暑だとか、天候によっても売れ筋は変わるので、最低でも1週間分の天気予報をチェックして、品揃えを決めています」(柿平さん)


パートスタッフの仕事は、ディスプレイや商品整理、商品補充、値札付け、掃除、接客、レジ…など多岐にわたる。「パートさんがいないとうちは成り立たない。パートさんが働きやすい環境を作るのが僕の役目です」(柿平さん)。

値札もハンコで1つ1つ押して作り、タグ付けも手作業。「ポップも手書きです。手間はかかるけど、その分、真心が伝わる。お客様にも好評なんですよ」(大河内さん)。


好きなお店づくりが許されるのも、「地元のお客様が楽しく暮らすためのお手伝いができれば、どんどんやってみろ」という社長の方針があるからこそ。SDGsという言葉が世に出るずっと前から、社会貢献に取り組んできたのだ。


「2号店に100円ショップを導入したのは、地元のかたがたから『祐天寺には100円ショップがなくて、学芸大学まで行かないとないのは不便だ』という声があったから。正直、最初は採算が合わないと二の足を踏んでいたんですが、コロナで遠くに買い物に出歩けないという状況になって、『やろう!』って決断したんです」(柿平さん)


2021年8月、2号店の半分の面積を使って、100円ショップ『Watts』を導入。祐天寺の住民に重宝されている。

イマドキのアイテムに混じってちょっぴり懐かしいおもちゃもある2号店。買い替え用の運動着や上履きなど地域の学校用品も取り扱っている。


これからの『ナンカ堂』は、どんな店づくり、どんな人づくりをしていくのだろうか?


「お店としては、変わらず、地域のお客様のお役に立ち、地域を盛り上げていきたいと思っています。人づくりは…僕が誰かを教育するっていう考えはあまりないんですよ。カッキー店長みたいに、最初からできてしまうような優秀なスタッフがいるので(笑い)。

それに結局、他人がどうあるべきかというより、自分自身がどうあるかが重要だと思うんです。もし、スタッフの誰かができてないことがあったら、それは僕自身ができてないからなんですよね。まだまだですけど、頑張っていきたいです」(大河内さん)


ナンカ堂’s ヒトトナリ


まっすぐで嘘がつけない大河内さんと、器用で人当たりのいい柿平さんの名コンビぶりは一見の価値あり。パートさんの、丁寧で手際の良い接客からは圧倒的な安心感を感じられる。


ナンカ堂’s オトナリ

Dog Ring

「1号店のすぐそばにあるトリミングサロン『Dog Ring』の前を通るたびに、わんちゃんたちに癒されています」(柿平さん)


Information

ナンカ堂 祐天寺店1号店(レディース・メンズ・タオル・寝具インテリア

ADDRESS 東京都目黒区祐天寺2-3-1

TEL 03-3711-6688

OPENING HOURS 10:00〜19:30

CLOSED 無休


ナンカ堂 祐天寺店2号店(キッズ・100円ショップ)

ADDRESS 東京都目黒区祐天寺1-23-18

TEL 03-5708-5953

OPENING HOURS 10:00〜19:30

CLOSED 無休


LINE公式アカウント https://lin.ee/dGLaDrr

Instagram @nanka2541

Twitter @nankanankado

YouTube「ナンカ堂チャンネル」

オンラインショップ https://nankado.thebase.in/

HP http://www.nanka-do.jp/


photo & text & movie:otonari編集部

(2022/4/14現在)

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